摩天楼が建ち並ぶ大都市ニューヨークにも近いニュージャージー州。
そこでは200年も前から悪魔が徘徊しているといいます。
その名はジャージーデビル。
オカルト伝説と思いきや、大勢に目撃されている謎のUMAです。
伝説の悪魔、現実に現れる

アメリカ、ニュージャージー州に現れるというジャージーデビル。
体長は1.8mほど。蹄のある二本足で立ち、細い尻尾、コウモリのような翼、馬のような顔。
まさに中世の絵に残された悪魔を彷彿とさせるUMAなのです。
これには物語があります。
1735年のこと、ニュージャージーの森で暮らすリーズ夫人が13番目の子の出産がえらい難産で、「こんなに苦しませる子は悪魔になればいい!」と罵ったところ、生まれた赤ん坊は突然悪魔に姿を変え、飛び去って行ったというのです。
ずいぶんと創作っぽい話ですが、リーズ夫人は実在し、12人の子供がいたことも記録が残っています。
記録にない末っ子が今もニュージャージーを飛んでいるのでしょうか。
このままなら伝説で終わるのですが、その後ジャージーデビルが実際に目撃されるようになります。
目撃者多数! 伝説じゃない!

古い記録には、1778年にジャージーデビルに発砲したと残っています。
1909年には空を飛ぶジャージーデビルが全米各地で数千人もの人に目撃され、機動隊までが駆り出されました。
1925年にはカンガルーに似た生物が家畜を襲い、1966年にはアヒルやガチョウの他、大型のジャーマンシェパードがジャージーデビルの犠牲に。
新しい情報ですと1993年、森林警備隊員が森でジャージーデビルと出くわしたと報告しています。
21世紀になっても目撃は止まず、2006年にハイウェイを走るドライバーに翼竜のような生物が目撃されました。
さらに2015年、ジャージーデビルを捉えた画像がネットで話題になるなど留まることを知りません。
これはもう伝説では済まないでしょう。
ニュージャージー州には何か得体の知れない生物がいるのです。
空飛ぶチュパカブラかもしれない
実はジャージーデビルにそっくりな動物がいます。
アフリカに生息するウマヅラコウモリがそれです。
文字通り馬面のコウモリで、ジャージーデビルの特徴と一致します。
ただ、ウマヅラコウモリは体長が30cm。
翼を広げても90cmで、1.8mといわれるジャージーデビルというには迫力がありません。
古代の翼竜の生き残りかもしれませんが、それならもっと方々で目撃されても良さそうなものです。
キングコングみたいにエンパイアステートビルのてっぺんにとまっていても不思議ではないでしょう。
チュパカブラの飛行タイプの未知動物という可能性もあります。
家畜を襲うところも同じですし、チュパカブラとジャージーデビルにはなんとなく同じ匂いを感じぬでもありません。
とにかく、ジャージーデビルは不思議なUMAです。
いつか捕獲され、本物の悪魔だったと結論が出てもおかしくないとさえ思っています。
悲しい物語の幻影なのか
まったく掴みどころのないジャージーデビル。
気になるのはリーズ夫人の13番目の子供です。
例えば、その子がエレファントマンのような奇形児だったとしたらどうでしょう。
1700年代なら悪魔の子と呼ばれたかもしれません。
それが伝説となり、ジャージーデビルの話へと転化され、空を飛ぶ不思議なものを伝説の悪魔に見せていることも考えられます。
キリスト教圏では、人は空に天使や悪魔を描いてしまいます。
ジャージーデビルもまた、宗教観が生み出した産物ではないでしょうか。
見捨てられた13番目の子の末裔と考えるのは、ちょっと悲しすぎる気もするのです。