ファンタジーでお馴染の奇怪な植物マンドラゴラ。
未知植物はUMAではなくUMP(三文字目のA――アニマルがプラントになる)というそうです。
マンドラゴラは人間のように生きており、抜くとおぞましい悲鳴をあげるなんていわれています。
生きた植物なんてベジタリアンには悪夢ですが、そのマンドラゴラは本当にあるのです。
マンドラゴラとは?

マンドラゴラの説明にこうあります。
「人の形をした根を持つ。男女(雌雄?)の区別もあるらしい。先端が二つに割れ、それを足にして走り回る。媚薬、不老長寿の薬の原料となるが、大変な毒のため触れることもできない。抜くと悲鳴をあげて収穫者の命を奪う。犠牲となる犬を使って抜かせる」
走る大根の画像は一時期ネットで話題になりましたが、あんな感じなのでしょうか?
愛犬家が怒りそうな話でもあります。
マンドラゴラはこのように設定が凄すぎて、すぐに嘘だとわかると思いますが、錬金術に使用する魔法具材として中世には普通に信じられていました。
現代人には考えられない素朴さです。
たしかにマンドラゴラは架空のものです。
そんな危なっかしい植物がその辺に生えていたら迷惑でしょう。
ただ、マンドラゴラの話の元となった植物は実在しているのです。
人型の根を持つ茄子があった!

マンドラゴラは別名マンドレイク。
茄子の一種だそうで、毒性も幻覚効果も強い植物です。
根の部分は朝鮮ニンジンのように分かれており、手足のある人間のように見えます。
さらに細かい根を土中にはるため、抜くときは根のちぎれる大きな音がするらしく、これが悲鳴の由来となったようです。
伝説の成り立ちって面白いですね。
昔は薬用にもなっていたようですが、毒が強すぎて今は使われないとのことです。
下手に食べると命を落とす危険もあり、昔は食べて亡くなった人もいたのでしょう。
それが誇張されて伝わり、マンドラゴラ伝承になったと考えられます。
では、植物が人間に危害を加えることなどないのでしょうか?
ところが、昆虫を捕食する食虫植物ように、人間も獲物にする「食人木」が実際にあったという記録が残っています。
人食い植物は本当にないのか?

食人木はアフリカのマダガスカルにあったといいます。
その木は人間を狂わせる臭いかなにかを分泌し、近くを通りかかった人は麻薬を打たれたようにフラフラになって、その木に引き寄せられてしまうとのこと。
近づいた人間は木のツルに搦めとられ、身動きもできなくなり・・・最終的にはそして血を吸われて、命を落とすのです。
もちろん、これも創作です。
原住民の言い伝えのようなもので、まだ世界のことを知らなかったヨーロッパ人が聞いて、遠い国の不思議な話として記録したのです。
ヨーロッパ人はアフリカやアジアをどんな怖ろしい所だと思っていたんですかね……。
しかし、不思議な動植物の固有種がいっぱいのマダガスカルは、今も新種が当たり前に見つかる島。
未発見の食人木や動き回る植物なんかが「絶対にない」とは言えないのです。
まとめ

熱帯地方には見るからにおどろおどろしい植物も珍しくありません。
『こいつ、人を食いそうだな』と思ってしまうようなものもあります。
未知の自然は今よりずっと恐怖だったのでしょう。
まあ、食虫植物だって大きくないから小さな昆虫を獲物にしているだけで、大きければ狙うのは人間でも全然構わないのですから、サイズに感謝するべきなのかもしれませんね。